気まぐれ定年塾
『花盛りの家』
月に何度か、松男さんは収穫した冬野菜を小型の台車に載せて、「花盛りの家」の前を通る。北風が吹きすさぶのに、色とりどりのパンジーやピンクのバラが咲き誇る珍しい家だ。
ある日、その家で水まきをしていた七十代くらいの女性が「こんにちは」と、気さくに声をかけてきた。松男さんは「いつもきれいな花を見せていただくお礼です」と言いながら、急いで白菜一個と手打ちうどんが入った袋を渡す。野菜もうどん作りも趣味なのだ。
「あら、あなたは八百屋さんでうどん屋さんなんですか?」と変なことを聞かれたが、一週間後、「あんなにおいしいうどんは初めて」と感激してくれた。
松男さんは定年後、外出が苦手な引きこもりの青年たちを支援する会に入った。古紙回収で得たお金を活動費にあてようと、新聞や本、段ボールなどの提供を各家庭にお願いし、車で市内を回る。
花盛りの家も、門の前に古紙を積み上げてくれるようになった。若い人が元気に外へ出て働けるよう、高齢者も協力したいのだ。
松男さんが車、自転車、台車などいろんな乗り物で突然通りかかるのが不思議なのか、花盛りの家の女性はまじめに言う。
「どちらにお住まいなの。畑も駐車場も離れてるんでしょ。まさか山の中でこっそりタヌキとうどんを打っている、とか」
「近くに家族と住んでますよ」。松男さんはクスッと笑った。(作家)
月に何度か、松男さんは収穫した冬野菜を小型の台車に載せて、「花盛りの家」の前を通る。北風が吹きすさぶのに、色とりどりのパンジーやピンクのバラが咲き誇る珍しい家だ。
ある日、その家で水まきをしていた七十代くらいの女性が「こんにちは」と、気さくに声をかけてきた。松男さんは「いつもきれいな花を見せていただくお礼です」と言いながら、急いで白菜一個と手打ちうどんが入った袋を渡す。野菜もうどん作りも趣味なのだ。
「あら、あなたは八百屋さんでうどん屋さんなんですか?」と変なことを聞かれたが、一週間後、「あんなにおいしいうどんは初めて」と感激してくれた。
松男さんは定年後、外出が苦手な引きこもりの青年たちを支援する会に入った。古紙回収で得たお金を活動費にあてようと、新聞や本、段ボールなどの提供を各家庭にお願いし、車で市内を回る。
花盛りの家も、門の前に古紙を積み上げてくれるようになった。若い人が元気に外へ出て働けるよう、高齢者も協力したいのだ。
松男さんが車、自転車、台車などいろんな乗り物で突然通りかかるのが不思議なのか、花盛りの家の女性はまじめに言う。
「どちらにお住まいなの。畑も駐車場も離れてるんでしょ。まさか山の中でこっそりタヌキとうどんを打っている、とか」
「近くに家族と住んでますよ」。松男さんはクスッと笑った。(作家)

この記事へのコメント
「てんつくのブログ」で~す
http://ameblo.jp/1029mama/entry-12437143958.html?frm_src=favoritemail
「あたちはあお、ぼくはむっ君」で~す
http://ameblo.jp/aomuku1009/entry-12437257366.html?frm_src=favoritemail
花盛の家って素敵ですね♪
御礼に手で売ったうどんと自家製の白菜をあげられて喜ばれて、作った本人は嬉しいですよね、お互いに♪
山でタヌキとうどん打ちって凄い想像力ですね、その叔母さん( ´艸`)
引きこもりニート、この先も音大は引き続きますね…。こんなに思ってくれる人のありがたさを感じてくれるといいのですが。。。
「花盛り」・・・日頃のお手入れのたまものでしょうね・・・バラなど大変ですモン
「いろんな乗り物で突然通りかかるの」・・・興味湧いちゃいますよね・・・
「タヌキとうどん打ち」・・・すごい発想ですよね、爆笑ですホンと
てんつくさん
ふふふ、ホンと打てそうな気がします
ニートの方達を支援する会(あるんですね)、まさに問題山積みと
お気持ち、伝わります、きっと